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社長日誌 > 船中八策の巻頭言集 > 第32号テーマ:故事に学ぶ | |
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第32号テーマ:故事に学ぶ
故事に学ぶ この船中八策も昨年五月に発行しあと途絶えました。私が、原稿を書かないからです。深く反省しています。今日は「故事に学ぶ」とし、以前に書いておりました原稿を数点載せることと致しました。 「奇に驚き喜ぶは遠大の識なく、苦節独行は恒久の操にあらず」 奇に喜ぶは遠大の識なく、とは、奇抜なアイデアや派手な企画、目先の儲け話に目が行き本来の目的を忘れ、手段だけに走っては何事とも成功しない。何事にも本質と道理がある。目先の新しさに振り回され、物事の本質を見失い道理を違えてはならない。新たな事業に取り組むにあたっては、その事業の目的(戦略)と目的達成のための手段(戦術)を取り違えてはならない。苦節独行は恒久の操にあらず、とは、自分が頑張れば会社が良くなると、朝から晩まで額に汗してガンバっている社長がいる。部下の指導、率先垂範という美名のもとに、部下の仕事までやってしまう経営者幹部がいる。このようなことをしていると、些細なことまで指示したり口出しをしてしまう。時間がないと言っては東方西走しなければならない。苦節独行では会社を長期的流れの中で見ていくことは出来ない。人を生かし、部下に仕事をまかせそれをマネージメントする、それが経営者、経営幹部の仕事である。 「千丈の提も?蟻の穴をもって潰え、百尺の室も突隙の煙をもって灰になる」 世にあるものはすべて、大は小よりおこるゆえ「難事はたやすい事から、千丈の提もアリの一穴からつぶれ、百尺のある部屋も煙突の隙間の煙から灰になる」と説かれている。小さいことを放っておくと大事になるので注意せよと言うことである。あるファミリーレストランチェーンの話です。水道の蛇口がゆるんでいたために、一秒間に一滴の水が漏れると年間七千円のムダになる事を社員に示した。店長をはじめ部下、パート社員にいたるまでムダ防止を徹底指導すると同時に、水道の使用方法をマニュアル化までしている。「そこまでしなくとも・・・」と、いろいろ社内的には批判はあったが、この会社の社長は批判をもろともせず決断実行し、年間三百万円の水道費のムダを防いだ。電気、冷暖房、コピーのムダ使いに気付かない会社ほど利益が漏れている事が多い。経営者は、「蟻の一穴」に、こんな細かい事と見過ごさず目配り気配り、時には決断も必要である。 「世渡りは傘の如く、運よからぬ時はしぼめるがよし」 「時節を知りて、進むときは進み、退く時は退きを賢き人というなり。世渡りは傘の如くすべし。運よき時は開き、運よからぬ時はしぼめるがよし」経済は、何時も順風満帆ではない。晴天もあれば悪天候もある。世の晴天を知り悪天候を知る。晴天の時には悪天候の来る事を卵ェして進むべし。悪天候には休んで天気は回復を待つがよし。止まぬ雨は降らぬから。運よくない時に進むは愚かなる事。どんな企業にも成長期もあれば、成長の止まる時もある。永遠に続く成長はない。その曲がり角をどう切り抜けるかが企業の盛衰を決める。この事は誰でも知っている経営の常識である。この常識は心得ているが、いつも永遠の成長に向かうは、経営者の習性である。「時節を知りて、進むときは進み、退く時はしぼめるがよし」合理派で、地道で安定的な繁栄をもたらした、江戸商人の「傘」商法を現代に学びたいものです。 「備えを以て時を待ち、時を以て事を興す」 「どんな事も、周到な準備を以て事にかからなければ、成功しえない。また、どんなに準備万端整えても、時の到来を見て事を始めなければ、これまた成功はおぼつかない。」−備えを以て時を待ち−何事も、事を興すにはその事を興すための計画と、それにかかわる組織や人、道具を備えもって時節到来(タイミング)を待たねばならない。なにより、時の到来を待つ当人の心の準備が必要である事は言うまでもない。−時を以って事を興すー世の流れを見、時節到来を待たずして事を始めると、これまた世の流れに乗れず成功はおぼつかない。事を興すには、時が早すぎてはいかん。好機到来とみたら、ただちに行動すべし。この格言は、「待つ」ことの大切さを教えているのであるが、その「待つ」は、ただ待つのではなく準備万端整えて待つ事を教えているのである。景気が良くないと言われる今日であるが、事あせって時の到来を待たず始めれば失敗は免れない。今は、「備えを以って時を待つ」の心高ヲでありたいものである。 「鵜の真似をする鳥ということあり」 「鵜の真似をする鳥ということあり。人の利巧が商ひごとよく鍛錬し運良く仕合するをみて羨ましく思い、己れも運も器量もなきに、その真似をすること、大きなる思い入れ違いなり。これを鳥を鵜に使うという。とかく己は運も器量もなきものとし、小さく仕慣れ商いを、こよなき楽しみと思い、大切に勤めるべし。」人の商売はよく見えるものである。「あの会社はよく儲かっている。あの商品は利益幅が大きい。あの業種は不況しらずだ。」などの話をよく聞く。自分の本業はいつも辛いもので、人の商売はいつも繁盛し儲かっているようにみえる。「隣の芝生はよく見える」ものである。自分の迫ヘも省みず、経営の多角化といって他社の真似をし、新規事業に進出するは「鵜の真似をする鳥」というなり。本業を大事にし、こつこつと堅実に事業に精をだしていれば商売は繁盛する。自分の得意な分野で成長していくことが最も事業が安定することである。経営の多角化にあたっては、本業の経営資源を活かし小さく始める事が肝要である。「経営者にとって、本業を歩く事は容易であるが、他人の隆盛に気をとられたり、いろいろな儲け話の誘惑に耐えることが難しいのである」と言った経営者がいたが、「鳥を鵜に使う」にならないような勇気を持ちたいものである。 「国を治るは、なお樹を裁うるが如し」 「木根揺がざれば、則ち枝葉茂栄む。君よく清浄ならば百姓なんぞ安楽ならざるえんや」木根揺がざれば、則ち枝葉茂栄むとは、木は根が地のなかにしっかりと張り、幹は根元から天に向かって真っすぐに立っていれば、どんな風雲にも揺るぐ事はなく、木の枝葉は自然と繁茂する。経営者は、木の根が地に張るようなしっかりとした経営方針を立て、その方針に向かって経営を行えば、経営を取りまく全てが繁栄するものである。君よく清浄ならば、百姓なんぞ安楽ならざるをえんやとは、上に立つ立場いある者は、常に自らの身を慎み下の者に心を配り、範として行えば下の者は安心して働くという事である。経営者は、常日頃から公私の区別を明確にし、自らの行いを心に照らし、社員の働きに心を配り自ら範として行えば、社員は社長のため、会社のために安心して働いてくれる。 「不味因果 禅のことば」 松下幸之助氏の商売語録に、事業の成否についてこのような事が書いてりあました。「商売というものは、損をしたり、儲かったりしながら成功することはありえない。やればやるだけ成功するものでなければならない。上手くいかないのは運が悪いからでもなんでもない。経営の進め方が当を得ていないのである」ようするに、事業が上手くいくか否かは経営のやり方が、時代なり環境なりに合っているかいないかであり、それを見極めるのが経営者の仕事である。同じ業種でも、上手くいく会社といかない会社 の違いはその差であり、経営者の手腕の違いとなってあらわれる。現状の経営環境は厳しいが、自社の経営の進め方をもう一度掘り下げて洗い直し、問題点を明らかにすれば道は開けるのではないでしょうか。経営の上手くいかない理由を、経済環境や社員の迫ヘに求めるか、経営者として自分に求めるかによって、経営の成否が決まるのではないでしょうか。私も、深く反省するところです。 |
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