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第11号テーマ:創業の精神
創業の精神 この巻頭文は平成6年に経営ワンポイントセミナーに書いたものを再度ここに登場させました。手を省く為ではありません。今日の厳しい経営環境の中でもう一度創業の原点に返って、自分を見つめたかったからです。 「一生懸命」 会社の創業期というものは、社長も社員も仕事に一生懸命なものである。事業とは何かも分からず、ただ会社の未来に夢と希望と情熱だけで走り、一方では不安と危機感を持ちながら、事業の成功だけを目指して寝食を惜しまず働いたものであった。お客様の要望に応えるのに精一杯でただただ謙虚であったように思う。お客様へのサービスも何とか継続の取引を頂きたい一心で手厚いサービスを心掛け、商品を作るにも不良品を作らないように、お客様に喜んで頂けるようにと一つ一つ丹念に心を込めて作っていた。商品を取り扱う手つきにも不慣れな中に一つ一つ大切に取り扱おうとする心があった。 創業期はなにもかもが未経験である。まして事業の先など見えない。得意先もお客様も全て新規取引で数も少ない。それが故にお客様を増やす事に一生懸命である。売上を上げる為に真剣であった。社員の教育も自らの実践をもって教育した。その一生懸命さと真剣さが信用も資金も無い中でお客様を増し、売上を伸ばしたのだと思う。そして一件のお客様が増えると本当に嬉しかったものである。しかし、それが年数と共に取引先が増え又社員の数も増え、少しずつ事業も安定してくるとその一生懸命さや真剣さが徐々に色褪せて来る。教育も管理者まかせの型だけの教育となる。社長の交際範囲も広くなり業界の付き合いや交流会などに時間を取られ、得意先回りや社員の教育に時間を取らなくなる。 社員もいつの間にか、それまでの心のこもった手厚いサービスが、型にはまったマニュアル通りのサービスになり、心が通わなくなるような事さえある。一件のお客様が減っても当たり前のようにさえ思う。このような事が長く続いていても社長は気が付いていないことが多い。お客様が減って売り上げ減少してはじめて気が付く社長さえいる。創業時の一件のお客様が増えて喜んだあの感動や、売上の伸びた時の喜びはどこにいったのか。手厚いサービス、お客様の心を和らげる応対、きめ細かいお客様への気配りは、今どこの会社でも取り組んでいる。大切な事は社長と社員がそれを一生懸命にやる事ではないか。 忘れていた何事にも一生懸命だった創業の原点を思い起こしてみたいものである。 『蝋蟻の一穴』という言葉がある。千丈の堤も蝋蟻の穴をもって潰え、百尺の室も突隙の煙をもって灰になる≫(韓非子) 世にあるものは全て、大は小よりおこる故、「難事はたやすい事から、千丈の堤もアリの一穴からつぶれ、百尺もある部屋も煙突の隙間の煙から灰になる」と説かれています。小さいことを放っておくと大事になるので注意せよということです。 あるファミリーレストランチェーンの話です。水道の蛇口がゆるんでいた為に、1秒間に一滴の水が漏れると年間七千円のムダになる事を社長は社員に数字で示した。店長をはじめ部下、パート社員にいたるまで水のムダ防止を徹底指導すると同時に、水道の使用方法を文章化までした。「そこまでしなくとも・・・・・・」と、いろいろ社内的に批判はあったが、この会社の社長は批判をもろともせず決断実行し、年間三百万円の水道費のムダを防いだ。 電気、冷暖房、コピーの無駄遣いに気付かない会社ほど利益が漏れている事が多いと言えます。創業期の経営者は水の一滴、コピー用紙の一枚にも「もったいない」と気配り、目配りをした。そこには社長としての危機意識があった。経営環境はますます厳しく、まだまだ先の見えない今日、時代は変化の岐路にあります。 今こそ、何事も積極的に取り組みいつも希望と危機感との間で頑張り抜いた創業の原点に立ち返り、新たな時代への会社作りをしたいものである。 (及川) |
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