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第19号テーマ:商人の経営訓
≪江戸時代の大阪商人に学ぶ「商に三法あり」≫ 江戸時代の大阪商人は、物事を行うにあたっては、堅実的で合理的に行うことを身につけていたと云われます。それが今日までの大阪商人の心の中に伝統的に受け継がれてまいりました。 その受け継がれた伝統のなかに、「商に三法あり」という言葉があります。「商に三法あり」は、江戸時代の大阪商人に商人として求められる素養を述べているのであります。 その一法は、始末する事。よく「始末屋」とか「始末のできぬ者」「後始末をする」など云われますが、この始末をするという言葉は、そもそもものごとの始めと終わりの辻褄をあわせると云う意味をもっております。大阪商人はこの「始末」を収入と支出の計算が合う事、またムダを省き効率の良い商いをする事ととらえていたと云われます。「終わり良ければ全て良し」といわれますが、経営における「後始末をする」は、経営計画と一年の決算の辻褄が合う事と云えます。 その二法は、算用する事。何事もソロバン勘定せよと云う事です。商人は儲けるために働くのであり損をしてはならないとも言い切る大阪商人。1回1回の取引で確実に利益を得られる。1軒1軒のお客様から僅かでも儲けさせて頂く事が長く商売が続けられる事であると言っています。この意味からも算用とは、短期的な見方ばかりでなく、長い目で勘定できることが大切であると教えているのです。 その三法は、商才、才覚と云うことです。商売には機がある。その機を見る機敏な目、敏感に感じる感覚、それを取り込む行動力を商才、才覚と云われます。機のある時に商売をせよ、商才があるかないかが厳しい商いの中で大阪商人の生死を決めてきたのですが、そのため、丁稚から叩きあげられる中で、商機を見る目、感覚を身体をもって覚えていったのです。日頃から勤行をモットーとして心に戒めたのも、「商いに三法あり」と云う江戸時代の大阪商人の言葉に表れています。 ≪鵜の真似をする烏といふことあり≫ 「鵜の真似をする烏といふことあり。人の利巧が商ひごとよく鍛錬し運よく仕合するをみて羨ましく思ひ、己も運も器量もなきに、その真似をすること、大木なる思い入れ違いなり。これを烏を鵜に使うといふ。とかく己は運も器量もなきものとし、少し仕慣し商いを、こよなき楽しみと思い、大切に勤るべし。」商人生業監より 人の商売はよく見えるものです。「あの会社はこの不況でもよく儲かっている。あの商品は利益幅が大きい。あの業種は不況しらずだ。」などの話をよく聞きます。他人の商売はいつも繁盛し儲かっているようにみえる。「隣の芝生はよく見える」もので、反対に自社の属する業界や自分の本業はいつも厳しいもの、辛いもののように思えるのです。 自分の能力を省みず、他社経営の真似をし、新規事業に進出するのは「鵜の真似をする烏」という事になります。本業を大事にし、こつこつと堅実に事業に精を出していれば商売は繁盛していきます。自分の得意な分野で成長していくことが最も事業が安定することなのです。 経営の新規事業の進出にあたっては、本業の経営資源を活かし小さく始める事が肝心であるともいわれます。「経営者にとって、本業を歩くことは容易であるが、他人の隆盛に気をとられたり、いろいろな儲け話の誘惑に耐えることが難しいのである」と言った経営者がいましたが、「烏を鵜に使う」にならないような勇気を持ちたいものです。 |
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