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第44号テーマ:「世界経済のグローバル化と国際会計基準に関する論考」(1)
「世界経済のグローバル化と国際会計基準に関する論考」 「世界経済のグローバルに関する最近の動きに関する論考」という課題に、私は「世界経済のグローバル化と国際会計基準に関して考察」(IFRS)とした。このテーマを選んだのは、09年12月12日の朝日新聞の経済面に、「国際会計基準 選択可狽ノ」と題する鯨岡仁記者の記事を興味をもって読んだことに始まる。国内の会計基準については日頃から仕事でかかわることがあるが、国際会計基準についてはなかなか触れることはない。しかし、ここ10年、新聞紙上や会計に関する書籍に、「国際会計基準」に関する記事、内容を散見する事が多くなった。本レポートは、世界経済のグローバル化について考え、それによる多国籍企業の業績・財務状態を表す財務諸表「国際会計基準」について考察して論ずる事にする。 1、経済のグローバル化とは何か。 まず、世界経済のグローバル化とは何かを定義することが必要である。慶応大学の中沢栄一准教授は、「物事が地球規模に拡大することをグローバル化といい、世界化、地球規模化とも訳す。多国籍企業の世界展開、地球規模の世界分業に伴う相互依存の深化、情報、コミュニケーション及び運輸技術の急速な発展よる時間と空間の観念の変貌などによってもたらされた。」とし、「社会がさまざまな側面において世界が一体化していくこと、つまり地球上の遠隔地がますます密接に結びつく動きである。」とも述べられている。またグローバリゼーションの定義について「世界経済の20世紀」(小浜、浜田著)は、「貿易関係が進み、資金移動も人の動きも自由になることをいう。」とし、19世から20世紀にかけて大きく進んだと論じている。 ようするに「世界経済のグローバル化」とは、ヒト・モノ・カネや情報が国という枠を超えた世界規模で移動することであり、その移動が多国籍企業などによってより活発に行われる事であるといえる。 特に20世紀末に台頭したインターネット(IT化)は、あらゆる情報が世界の隅々に瞬時に行き渡ることとなり、ビジネスの世界から国境という概念を取り払ってしまった。従来の時間差によって利益を創造してきた金融ビジネスも、瞬時に資金移動させる金融システムに変化し、より投機的な金融へと変わってきた。昨今の金融派生商品(デッリバティブ)などはその特徴といえる。またAmazonやYahoo,Googleのような新しいビジネスモデルを生み出し、短期間で世界的な企業になれること可能にしたが、このような現象は近年の経済のグローバル化の象徴とも言える。 2、世界経済のグローバル化と国際会計基準 国際会計基準は、多国籍企業の財務諸浮?際的に比較評価する必要性から生まれた。大手企業の活動は、経済のグローバル化によって海外での生産活動や販売活動のウエイトが高くなった。それに伴い海外生産拠点の拡充、販売網の穀zが盛んなり、海外での資金需要が多くし海外で資金調達することが多くなった。これらの企業の資金の調達は主に機関投資家といわれる金融機関や投資ファンドである。経済のグローバル化は世界的な市場争奪競争やM&Aなどによる企業規模の拡大を図る多国籍企業の企業間競争を激化させた。これらに追随するように多国籍企業に資金を投資する機関投資家の動きをも活発にした。当然投資家は、これら資金を必要とする多国籍企業への投資するにあたっては企業の財務諸葡ハして財務状態・業績の分析を国際的に比較評価できるような統一の物差しを求めるようになった。このような動きが国際会計基準創設の源流となったといえる。 国際会計基準は、国際的な会計基準であり上場企業に適用されるものである。「国際会計基準はロンドンの国際会計基準審議会が作成したものであり、現在欧州やカナダ、インドなど100カ国以上で採用されている。日本やアメリカは独自の基準で維持されているが、それぞれ国際会計基準に近づけることで合意している」(朝日新聞記事)としている。日本のグローバル企業である、トヨタ自動車・日立製作所、パナソニックなど34企業は「米国会計基準」で決算が行われているが、金融庁は12月11日に,これか大企業が採用している「米国会計基準」を、2016年までとした関係公布をした。これによって、いままで「米国会計基準」を採ってきた日本の大手企業も、「国際会計基準」に切り替わっていくものと思われる。経済のグローバル化の進展は今後ますます急速な勢いで進むものと考えられる。 新興国の経済発展は目覚しく、これらの国々の企業の中からも国際的に展開する企業は多く出始めている。これらの新興国の多国籍企業は、海外の投資家の資金をバネに更なる発展を遂げようとするであろう。それが故に「国際会計基準」は世界中に広がるものと考えられる。 |
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