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第25号テーマ:毎日が創業の原点
「経営はゴールのないマラソンである。」と言った人がいます。経営は創業した時からゴールのない戦いが始まるのです。そしてお客様や仕入先、銀行等の取引先を作り時間をかけて信用を築き、一方では社員を育て信頼関係を育みがら成長していくのです。これはすべて経営者である社長が手塩をかけなければできないことなのです。だから会社を途中でやめることができないのです。会社を止ると言うことは倒産をするか、創業の志を棄て余裕のあるうち会社をたたむ時なのです。 どちらにしても、経営をやめるということは経営者にとっては地獄であるのですから、どんな苦難困難な時も戦いそれをを乗り越えなければならないし、諦めてはならないのです。 経営というゴールのないマラソンの中には、幸な時もあれば不幸な時もあるし、何をやっても上手くいく時もあれば、何をやってもやる事なす事が上手くいかない時もあります。また好調な時もあれば苦難困難を極める時もあるのです。経営にはこのような事はつきものであるし、むしろ経営はこの様な事の連続でなのです。経営者は苦難困難を喜ぶぐらいでなければならないと言われますが、言葉としてはわかるのですが、やはり苦難困難には会いたくないもです。 でも好調や不調は、期間の長い短いは多少あるかもしれませんが、交互にやってくるのです。永遠に続く好調もなければ永遠に続く不調もないのです。大事なことは幸不幸、順調不調、苦楽の時の自分の受け止め方や心のあり方が大切なのではないでしょうか。 「治に居て乱を忘れず」 先日、知人が相談したいことがあると訪ねてきた。5年近く会っていなかったのですが、5年前世間が不況の荒波にあったにも関わらず、彼の事業は順調な伸であったのです。彼の話には何時も勢いがあり説得力もあった。大きな事業の夢と壮大な計画を持っていたのでした。彼の行動力や実行力からきっとそれを実現するだろうと思っていたのでしたが、しかし会って話を聞くと今経営の危機に直面していると言うのです。5年前に会った後、暫くは順調であったようですが、本業がやがて徐々に下降に向かったので新規事業に乗り出したが、失敗を重ねついに経営の危機となったという事です。「驕る平家久しからず」と言いますが、順調な時は勢いがあるから何をやっても上手くいくものと思い、足下を見ないで進み失敗する事がありますが、彼もその錯覚で失敗の道をたどったようです。彼の「あの時もっと足下を固め、新規事業ももっと緻密に計画を立て検討すべきであった。」と言う言葉に力がなかった。 「事予則立不足則廃」とか「以備待時待時興事」と云う中国の諺がありますが、彼はこれを怠ったのです。計画や準備を怠り勢いで走ったのでした。 経営者は、自分の事業のが調子の良いときや、自分の計画が素晴らしいと他人から誉められたりすると、それであたかも将来が保証されたと錯覚したり思いこんだりしがちですが、と言うより経営者はそいう習性を持っているようです。事業の将来に夢を持ち挑戦する事が経営であるわけですし、これが経営者のエネルギーの源であり原動力であるのですから当然の事といえば当然の事であります。これを失ったら経営者は心が空洞化し精神的にも肉体的にも元気が出ないし、意欲も喪失するのです。しかし「心ここに在らざれば視ても見えず」で、この調子良い時の心のあり方で隙や緩みが出てくるのです。 また、不調の時は目の前の仕事に追われたり、今の問題に翻弄されたりして先が見えておらず、冷静に状況判断ができないのも中小企業の経営者には多いのではないでしょうか。不調の時や何か問題が発生したときに、冷静にそして客観的にものごとを見なければならないことはわかっているのですが、中小企業は社長が経営の指揮を取りながら、一方では社長が営業マンであったり社長が現場の作業員でもあったりもするのですから、「目前の蠅」を払うので精一杯で冷静にそして客観的に状況を見ることができないのも現実です。このような目先に追われる時に経営の方向を見失ったり、出口の見えない悪循環に入ったりするのです。 お釈迦様は、人間は苦から逃れることができないと言っていますが、我々にとって苦しいことは嫌なものでです。できるものなら一生苦難困難には遭遇したくないものですが、しかしこの苦難困難を避けたり逃れたりして経営をする事もできないのです。 「治に居て乱を忘れず、乱に居て治を忘れず。」と言いますが、経営者は順調な時も不調な時も、いずれの時も、ともに目の前の事だけではなく広い視野を持つことが大切である事を教えているのですが、経営の一つ一つの場面での経営者の心のあり方が経営のあり方を決めているのですから、普段からの心の鍛錬が大切なのです。 「万事寒翁が馬」 相談に来た彼も、今この苦難困難から逃げられない状況に直面していたのです。私は彼の相談に何の回答もだす事もできなかったのですが、《「人間万事寒翁が馬だよ」。良いときもあれば悪いときもある、現状をしっかりと受け止め、これからやるべき事を具体的にし実行する事。「禍中有福」とも言うではないか。また倫理法人会の万人幸福の栞の中に「苦難福門」と言う一章もがある。苦難と真剣に向き合った時、今まで気づかなかった自分に気づいたり、事業の本質が見えたりするものだし、地獄の入り口でチャンスの女神にったりするものなんです。 要するに現在の自分をしっかりと見つめ、そこから出発する事である。これを毎日繰り返すのである。「毎日が創業の原点」であり「毎日が創業の出発」であればいいのです。燕の郭隗が昭王に進言した「まず隗より始めよ」と云う言葉があるが、ものごとを行うに当たり、まず遠くを見ないで足下から始めることである。 そしてまずリーダである社長自ら行う事である。そこで「禍中有福」に出会うのであり「苦難福門」の門が開けるのではないだろうか。》と話したのです。他人の事だからこんな事が言えるのですが、自分の事となるこれまたさっぱりできない自分がいる事を承知の上で話したのですが、話しているうちに彼の出来事が「他山の石」として自分を戒めなければならいと思ったしだいです。 一段と厳しい経済環境である。2001年の企業倒産件数は19,164件と戦後2番目の件数であり、前年より2、1%も増えた。2002年の今年は昨年よりもっと厳しいと言われています。だからと言って不安がることもないしビクつく事もないのです。「毎日が創業の原点」であり「毎日が創業の出発」であれば、今日を生き抜くことができるし、会社を将来に向け成長させることもできるのではないでしょうか。そして世の中「万事寒翁が馬」。 何時災難が来るかわからないし、また今の災難が何時幸福に変わるかわからないのです。常に常在戦場の心を以て頑張らなければならないと思っているしだいです。 |
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